今年、ウチの会社から10人辞めた。
40人位のECアパレル。
あれ?25%がやめたってことか?
机がスカスカ。やることはカツカツです。
なぜ離職が止まらなかったのか
それを振り返る必要があると思っているのですが、社内ではそれには触れてはいけないタブーなもの扱い。
でも、じゃないとこの離職の波を止めることができない。
PDCAが大事ってさんざん言うけど、この件についてこそ、考えなければ、会社の未来はないのだ!
てことで、私から見た主観的な物だけど、その理由を会社ではタブーで言えないからここに書くぜ。
社長がワンマンすぎた
なんだよ、それが理由かよ、と思われるかもしれません。
でも、ECにおいて社長のワンマンぶりというのはダイレクトに末端の社員にまで影響が生まれます。
なぜか?
それは、ECのアパレル業界の構造に関係があると思っています。
個人事業主から大きくなった
大手の実店舗があるようなアパレルブランドがECに参入、という形でない限り、基本的にはECなんて個人(社長)がヤフーオークションなんかで始めた事業が大きくなったものです。
なので、社長からしたら家の仕事の延長。
24時間対応が当たり前の考え方なんです。
基本的に。
それと同じ気持ちや対応を社員にも求めるというのは、本当にECにありがちです。
例えばお正月。お盆。
アマゾンはいつでも届くじゃないか。
出荷を止めてしまうとお客さんが注文を躊躇するのではないか?
という理由から、基本的には駆り出されます。
大手モールのセール時なんか、夜中出勤して受注をさばく、なんて当たり前です。
それは、大手だからこそのサービスと、個人商店だからこその強みをごちゃまぜにして、なにがウチの価値なのか見誤っているからです。
そして、その何よりの理由が今、ある程度大きくなったECの社長の多くがECを始めた頃はECはブルーオーシャンだったからです。
それが今や超レッドオーシャン。
何も考えなくても、商品をどんどん出品していれば売れたあの頃とは違います。
そうすれば嫌でも方向転換を視野ければならない。
私もそこにはとても賛成しているところです。
社長の方向転換が悪い方に出た
さて、方向転換をしようにもやはり社長の思うように組織はすぐ変わりません。
そうして何が始まったか?
それは社長稟議という制度でした。
社長稟議の悪いところ
もちろん、会社はよく悪くも社長のものです。
多くの中小企業は社長がそのまま株主だからです。
なのでもちろん社長がノーと言えばノー。
そこに背くつもりも無いのですが、社長稟議は会社をすごく悪く変えたと私は思っています。
社長稟議の悪いところ①スピードが遅くなる
何よりこれが一番悪いことでした。
なぜか。
ECなんてスピードが命だからです。
社長稟議が遅くなり、商品が入らなくなってしまえば売る時期が遅くなります。
遅くなれば遅くなるほどアパレルは厳しいのです。
アウターを今から出品するとなれば、撮影をして加工をして、としなければなりません。
出品した頃にはもうアウターを欲しい人は買ってしまっているんですよね。
これはアパレルだけの問題かもしれませんね。
なので、商品に対して社長稟議が通った時点ですごくスピード感が落ちました。
社長が稟議をその日に通してくれることなんてほとんどありません。
その理由と次の理由はかぶってくるので次項に行きますね。
社長稟議の悪いところ②社長はそもそも会社にいない
なぜ当日に稟議が通ることがないのか。
それは簡単。
社長がいないからです。
そうなると必然的に、帰って確認する、かラインで送る、になります。
帰ってきても社長は忙しい。
遊びではなく、いろんな方と会っているのです。
そして悪いことに、会えば会うだけ情報をもらうので現場をこうしたい!という気持ちが増え、こちらに求めるものが多くなります。
おいといて。
ラインで送るとしても、大量の確認事項が社長のもとに集まります。
すべて把握している訳もなく当然既読スルーが起きます。
そうして皆が、社長、あの件ですが。。。と確認に並ぶことになってしまう訳なんです。
しかしそうするとまた、もう一つ問題が起きます。
社長稟議の悪いところ③社長が多忙でキレだす
なんでオレがここまでしなければならないのか。
もっと自分たちで仕事を持ってもらわないと困る!と怒り出します。
そして、ある程度裁量でやり始めるとまた一週間くらい経つと何でこれ確認してないものがあるのか!と怒り出します。
稟議を通す基準が決められていないからですね。
社長稟議の悪いところ④振り回され始めて社員が辞めだす
そうして、振り回されるだけ振り回された結果、社員達がやめ始めたわけです。
特に社長は感情的になりやすく、罵倒や恫喝とも取れる罵詈雑言はしょっちゅう。
そして上の人達も社長に稟議を取りに行きたくなくなって、できるだけラインで済まそうとする。
そうなるともっと社内の環境は悪くなります。
下からは早く確認取ってほしいと言われ、上からはこんな事も俺が言わないと何も決まらないのかと怒られ。
中間管理職は踏まれたり蹴られたりです。
社長稟議の悪いところ⑤新入社員が気付き出す
最近の新入社員は会社が自分の夢を応援してくれる!と思っている人が少なからずいます。
そしてそういう人達が私の会社には集まりやすい傾向があります。
なぜか?
会社は自己実現をする場です!
と謳って新卒採用をしているからです。
最初から自分の好きなことをやらせてもられると思って入ってきます。
しかし、現実は違いますよね。
やっといてと言ったことをきっちりこなしてくれる新人に仕事を任せていって、そして積み上がった先にやりたい事ができるのではないでしょうか。
例えばマーケティングがやりたい、という子がいたので、じゃあこれの毎日のデータとっといてと言いました。
その子は2ヶ月一度もデータをとっていませんでした。
何度かリマインドしました。
それでもやりませんでした。
マーケティングは数字を分析するのも重要な仕事です。
数字を2ヶ月間も見ないでどうやってマーケティングができるでしょうか?
でもその子は、記録はしてないけど見てました、マーケティングをやりたいんです。やらせてくださいと言うんですね。
比較したいときとかどうするつもりなのかな。。。?
おいといて。
そういう子はここに来て、自分のやりたいことなんて、日々の業務に忙殺されて全然できないじゃん!と気づき始めます。
もちろん、やるべきことの先にやりたいことなんですがそういう方程式は通用しないので、話が違う!と怒りだして辞めるわけです。
やるべきことが多すぎるからだし、やらせてあげられない土壌なのでは?と思うかもしれません。
それは反省点でもあります。
実際に特別枠以外は、新卒採用しかしていないため知識の豊富な人材が本当にいません。
新卒の出来る子と、中途組に仕事が集まりそれ(育成)どころでは無いんですね。。。
なのに新卒を取り続け、辞め続ける。
本当に悪循環です。
社内研修に夢中になる
そうして社内がバラけだすと何が起こるか?
社内研修に社長が力をいれ始めます。
悪名高い変なコンサルタントみたいな会社と契約し、何百万もする研修を土日泊りがけでやったりしだすんです。
そうなると益々若い子達は、自分の休みを取られるのが好きじゃないので、辞めますね。
平日も3日間泊りがけの研修に行かされたりします。
そうなると、仕事なんか回りません。
しかし、上に行きたいなら研修は必須だと脅されるわけです。
スキルの研修でなく、マインドの研修ばかりでますます、マンパワーでなんとかしよう体質の会社になっていきました。
その研修に馴染めずに辞めた人も多々います。
こうして25%が去っていった
ここまで述べてきましたが、ECはどこもこんなもんです。
ECばかり5社目ですがどこもこんなでした。
社長の力が強すぎる。
社長が始めた事業が大きくなったので、ワンマンだし、聞きかじってきたものをすぐ試したがります。
でもそうじゃなきゃECの社長にそもそもなってないんでしょうね。。。
今の会社は少数精鋭でやるべきだったのを、ちっょまえの企業にしようとするからこういう軋轢が生まれていると、私は、思っています。
中小と言うにはやや大きく、大企業になりきれてない。
その辺りのECが一番キツイと思います。
もちろん私の所感です。
ただ今までの中では一番大きいこの会社が一番キツイし、給料も少ないです。
ある程度の大きさでやっていたほうが儲かるもんなんでしょうか。
ちょっと、研修費等がかさみすぎてて本当の利益と言われるとわからないところまで来ていますが。。。
主婦なのでもう少しここで頑張るつもりです。
幸い、仕事としては好きなことなのです。
しかし、私の気持ちとは裏腹に会社が潰れるかもしれません。